東京地方税理士会

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「160万円の壁」注意点(令和7年5月)

「年収160万円の壁」とは、どういうことを指していますか?

2025年分の所得税改正により、所得税が課税される年収ラインが従来の103万円から160万円に引き上げられました。年収160万円までならば所得税の負担は発生しないため、年間2万~3万円程度の減税となります。

また、今回の改正で19歳から22歳までの子どもに関しては、親の扶養に入れる年収の上限が103万円から150万円に引き上げられ、150万円を超えても、段階的に控除額が減る仕組みが導入されました。さらに、配偶者を扶養に入れた場合に適用される控除額が、満額適用される年収の上限が年収150万円から160万円に引き上げられました。これらの改正により、これまで働くことを控えていた方々も、より多くの時間働くことができるようになり、家計の負担軽減が期待されます。

注意すべき点はありますか?

本人の課税されない年収ラインが大幅に引き上げられたのは所得税のみであることには、注意が必要です。住民税は地域によって異なりますが、課税される年収ラインが約100万円から約110万円に引き上げられるものの、社会保険料は現状のまま変更がありません。特に、年収が106万円または130万円を超えると社会保険に加入する必要があり、手取り額が大きく減少する可能性があります。このため、働き方を見直し、税金や社会保険の負担をバランスよく考えることが大切です。

(回答者:大岩佐衣税理士)

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