教育とは「教え育てること。人を教えて知能をつけること。」(広辞苑)です。
教育基本法第1条には「人格の完成を目指し、平和的な国家及び社会の形成者として、真理と正義を愛し...自主的精神に満ちた心身とも健康な国民の育成...」を目指すこととあります。
このことから、租税教育の目的は、租税について、法律の定めに従って納税し、租税の意義、租税の役割、租税の機能、租税の仕組み等、租税立法のあり方について正しい知識をもつという、教育の理念に沿った国民の育成を図ることです。
学校教育における租税教育の現状は、小学校・中学校・高等学校で納税の義務、租税の意義・役割、国、地方自治体の財政等の授業をしていますが、租税制度の複雑化等と相俟って、税務の専門家による租税教育の重要性が高まっています。
税理士法第1条に税理士の使命は「税務に関する専門家として、独立した公正な立場において、申告納税制度の理念にそって、納税者の信頼にこたえ、租税に関する法令に規定された納税義務の適正な実現を図ることを使命とする。」制度です。
この申告納税制度を支えるためには、納税者の租税についての正しい知識と理解が必要です。
納税者の代理人としてきわめて高い公共性と独占性を付与されている税理士制度の担い手である税理士・税理士会が、納税者に申告税制度とは何かを普及させること、租税教育を通じて申告納税制度の維持発展に寄与することは、納税者または国民への新しい社会貢献事業として位置付けられます。
租税教育は生涯学習・生涯教育の一つに位置付けられ、小学校の児童、中学校及び高等学校の生徒はもちろん、大学の学生、社会人全般にわたる生涯に及ぶものです。