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「パンドラ文書」の怪(令和4年1月)

 不動産や株式の売却時には譲渡所得が課税されますが、不動産や株式の取得時には、どのような税金が掛かりますか?

 不動産の場合、不動産取得税や登録免許税が課税されますが、株式の場合、課税されません。

 昨年、パンドラ文書が公表され、英国の元首相がバーレーンの閣僚等からロンドンのビルを所有する英領タックスヘイブンの会社株式を購入することで、約40万ドル節税したと報じられました。

 ビルを直接購入する際に掛かる税金を税逃れしたようですね。

 反対にバーレーンの閣僚等の譲渡所得に対する税はどうなりますか?

 閣僚等は、英国非居住者ですから、ビルの売却に係る(譲渡)所得税が課税されます。これは、会社財産が、不動産からなる会社株式の場合も同様です。

 実際にはタックスヘイブンの会社株式を譲渡していますが、閣僚等は、英国に税金を納めていると見ていいのでしょうか?

 そこが怪しいですね。そもそも、バーレーンは豊富な石油資源に恵まれ、国家財政を石油関連事業で賄うので、個人所得税はありません。

 閣僚等にとっては、むしろ投資先の英国に払う税金こそ問題ですね?

 そうですね。元首相は、巨額な中東のオイルマネーを英国不動産投資に還流させるため、租税回避というインセンティブを与えていたかもしれません。巨額なマネーを動かす海外の投資家にとって、魅力的な投資先であるためには、税の問題は外せないと言えるでしょう。

(回答者:黒田雅史税理士)

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