暮らしと税

空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例

空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例<平成28年8月>

[平成28年8月現在法令]

今、空き家が問題になっていますが、相続により生じた空き家を改修等して売却すると、税制面で何か優遇があると聞きましたが、どのような制度でしょうか。

相続開始の日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに、被相続人の居住の用に供していた家屋を相続した相続人が、当該家屋(耐震性のない場合は耐震リフォームをしたものに限り、その敷地を含む。)又は取壊し後の土地を譲渡した場合には、当該家屋又は土地の譲渡所得から3,000万円を控除することができるようになりました。

これは、空き家の発生を抑制し、地域住民の生活環境への悪影響を未然に防ぐ関係や,自分の意思とは無関係に発生する相続による相続人の空き家管理の負担増も踏まえ創設された優遇制度です。つまり、空き家の耐震リフォームをして土地建物を譲渡した場合、または、空き家は取壊して、その敷地であった土地を譲渡した場合には、その譲渡益から3,000万円を控除することができるという制度です。

この特例の適用期間は、平成28年4月1日から平成31年12月31日までの間の譲渡です。また、被相続人の居住用家屋・敷地が、この制度の適用要件を満たすことを証明する地方公共団体の長等の書類や売買契約書の写し等の一定の書類を添付して確定申告をする必要があります。

主な適用要件

  • ①相続した家屋は、昭和56年5月31日以前に建築された家屋(マンション等を除く。)であって相続発生時に被相続人以外に居住者がいなかったこと。
  • ②譲渡をした家屋又は土地は、相続時から譲渡時点まで居住、貸付け、事業の用に供されていたことがないこと。
  • ③譲渡価額が1億円を超えないこと。

(東京地方税理士会山梨県会・望月由美)

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