地方公共団体外部監査制度とは、都道府県や市町村などの地方公共団体が行っている事務を、地方公共団体の組織に属していない外部の専門家(=外部監査人)が監査することをいいます。
長年、地方公共団体の監査は、地方公共団体の内部組織である監査委員による監査(内部監査)が実施されていました。しかし、この内部監査は、独立性の問題や専門性の問題、不正事件の未然防止ができないなどが指摘され「身内に甘い監査」として批判されることがありました。
そこで、これらの問題を解決するため平成9年に「地方自治法の一部を改正する法律」が成立し、平成10年より地方公共団体に外部監査制度が導入されました。
外部監査には包括外部監査と個別外部監査の2種類があります。
地方公共団体の財務事務の執行と経営事業の管理を包括外部監査人がテーマを決めて監査します。
都道府県、政令指定都市、中核都市は、この包括外部監査を1年に必ず1度受けることになっています。また、この他の市町村でも条例で定めることにより包括外部監査を実施することができます。
議会や首長、住民からの請求があった場合に、その請求のあった事項について、監査委員に代わって外部監査人が監査を行うことです。
外部監査人となれるのは、税理士、公認会計士、弁護士の有資格者と、地方公共団体に従事したことがある者(実務精通者)のみです。
また、外部監査人は、監査を補助する者「外部監査補助者」を選ぶことができるので、規模が大きい地方公共団体でも監査できます。
税の専門家である税理士は、税金の使われ方などについて、住民の視点に立った外部監査を行い、よりよい地域自治に貢献しています。また、外部監査人の補助者としても多数の税理士が全国で活躍しています。
日本税理士会連合会及び東京地方税理士会では、外部監査に関する研修会を実施し、外部監査人候補者を養成しています。また、外部監査人等(外部監査人、監査補助者)に従事している会員からの疑問、問題点等に回答できる体制を整えています。