「経済安全保障」と税(令和4年5月)
決算発表の見どころについて伺います。
ウクライナ問題、原油高、半導体不足、新型コロナウイルス禍等の地政学リスクを企業がどのように評価するか、非常に注目されます。
そうしたリスクは、どのような形で表記されますか?
商取引では、予測される損失に対する引当金の計上、子会社等への投融資では、株式や債権の評価損に対する準備金の積み立て等が考えられます。
これらの損失は、税金の計算においても認められるものですか?
必ずしも全てが認められる訳ではありません。
こうしたリスクに対する対策はありますか?
経済安全保障という考え方では、何らかの原因によって供給網が寸断され、製品供給に支障をきたす事がないよう、リスクの少ない場所に拠点を再構築することが求められます。
相当な資金が必要になりませんか?
適格再編という手法では、対価の支払いに代えて株式を交付するので資金調達の必要がなく、また再編時に引き継がれる資産負債に税金がかからないというメリットがあります。
海外に拠点を持つ企業の再編に関するアドバイスをお願いします。
企業再編に関する法令や適格要件等は国によって異なるので、租税条約を含めた事前の検討が必要です。 また、再編後の拠点の投資損失に関しては、税務上の差異が生じることになります。
(回答者:黒田雅史税理士)
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