暮らしと税

通勤手当の税務上の取扱い

通勤手当の税務上の取扱い<平成29年6月>

会社から貰う給料明細書に「通勤手当」という項目があるのですが、これには税金がかからないと聞いたことがあります。本当に税金がかからないのですか?

  いいえ、1か月当たりの通勤手当については、すべてに税金がかからない訳ではなく、通勤方法により個別に税法の取扱いが定められています。

  基本的に通勤手当はいくら支給しても構いません。ただし、税法上は会社までの通勤方法により、税金のかからない上限が定められています。
  車で通勤する場合は、自宅から会社までの距離が片道2キロ以上10キロ未満までは4,200円、10キロ以上15キロ未満までは7,100円という様に、距離に応じて各上限が定められています。

  片道2キロ未満の場合は、支給された交通費全額が所得税等の対象となります。

  例えば、片道2キロ以上の方が会社から通勤手当を10,000円支給されたとします。その場合は、4,200円までには税金がかからず、4,200円を超えた5,800円に対して所得税等の税金がかかってきます。つまり、上限を超えた部分は普通の給料と同じ取扱いになります。

  電車やバスで通勤する人の場合は「合理的な運賃等の額」という決まりがあり、その上限は150,000円となります。

  「合理的な運賃の額」とは、自宅から会社まで電車やバスで普通に通勤する場合にかかる金額です。

  高速道路などの有料道路を利用する場合、これも「合理的な運賃等の額」という決まりがあり、その上限は150,000円となります。

  最後は、バスや電車等の交通機関と車を組み合わせて通勤している場合です。

  この場合は「合理的な運賃等の額」と車で通勤する場合の規定を組み合わせた合計金額で判定を行い、これも上限は150,000円となります。
  通勤方法及び通勤距離により、受け取っている通勤手当の取扱いが変わる点に気をつけて下さい。

(東京地方税理士会山梨県会・若尾和成)

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