暮らしと税

相続時精算課税とは?

相続時精算課税とは?<平成29年9月>

相続時精算課税制度とはどのようなものですか?

 生前贈与について受贈者の選択により、贈与時に贈与財産に対する贈与税の計算を行い、その後相続時にその贈与財産と相続財産を合算した金額をもとに計算した相続税から、すでに納税した贈与税があるときは、この税額を控除することで贈与税と相続税を通じた納税をする制度です。この制度を選択すると、選択後の贈与に通算で2,500万円の非課税枠が与えられますが、一度この制度を選択するとその贈与者について従来の暦年課税方式(毎年の基礎控除110万円の贈与)へ戻ることはできません。

具体的な適用要件は?

 適用対象となる贈与者は、贈与をした年の1月1日において満60歳以上の者であること、受贈者は贈与者の推定相続人である直系卑属(子や孫)で贈与を受けた年の1月1日において20歳以上である者です。この制度は暦年課税方式に代えて選択により適用できるものですから、贈与財産に係る贈与税の申告期間内(原則として贈与の年の翌年2月1日~3月15日まで)に贈与者ごとに「相続時精算課税選択届出書」を贈与税の申告書とともに税務署に提出することが必要です。贈与財産については種類や金額、回数に制限はありません。

この制度を利用する場合のメリットやデメリット(リスク)を教えてください

 いわゆる相続争いにしてはいけない財産、例えば後継者がいる同族会社株式や自宅の敷地などについて、それらを相続すべき人が生前に贈与を受けることで、その人固有の財産となり遺産分割対象から除くことができる。収益物件を生前贈与し、そこから得られる収益を早期に次世代に移転できるなどのメリットがある半面、親より子が先に死亡した場合には複数回課税が発生するなどの種々のリスクがあることも念頭に、選択に際しては様々な検討が必要です。

(東京地方税理士会山梨県会・飯島正樹)

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