くらしと税
皆様の生活に密着した税に関する記事を山梨日日新聞に毎月掲載しています。

【相続税の計算;相続開始前3年以内の贈与加算】
〜贈与税の配偶者控除の適用を受けている場合〜
(平成24年3月)

私は夫から2年前に居住用の土地建物(評価額2千万円)と現金110万円の贈与を受け、「贈与税の配偶者控除の特例」の適用し、贈与税の申告を行っておりました。なお、配偶者控除と基礎控除で税額は算出されませんでした。しかし、本年、夫が死亡し、相続税の申告書を提出しなければなりません。相続税において、この贈与を受けた居住用土地建物と現金は、どう取り扱われますか。



  相続税の計算を行う場合、「贈与財産の加算」の規定は、相続などにより財産を取得した者が、相続開始前3年以内に被相続人から贈与を受けた財産について相続税の 課税価格に加算する制度です。そして、その加算された贈与財産の価額に対応する贈与税の額は、加算された人の相続税の計算上、控除されることになります。
  また、この場合、3 年以内であれば基礎控除額110 万円以下の贈与財産についても加算することになります。
  しかし、贈与税の配偶者控除の特例を受けている場合には、たとえ3年以内であっても、その配偶者控除額に相当する金額は、加算する必要はないことになっています。
したがって、あなたの場合は、ご主人から2年前に贈与を受けた居住用の土地建物の配偶控除額2千万円については、相続税の課税価格に加算する必要は有りませんが、現金110万円については加算が必要ということになります。

 

参考:「贈与税の配偶者控除の特例」

婚姻期間が20年以上の夫婦の間で、居住用不動産又は居住用不動産を取得するための金銭の贈与が行われた場合、基礎控除110万円のほかに最高2,000万円まで控除できるという特例です。

 

東京地方税理士会税法研究所・研究員 角谷啓一


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